品質を左右する治具のお話

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装飾金

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硬質金

軟質金

品質を左右する治具のお話

治具とは、英語のjigに由来する当て字で、そもそもは、工具の位置合わせ、案内機構を意味していましたが、日本では工作物側の位置決めと締め付け固定するための道具・部品を含んでいます。(Wikipedia治具を参照)

めっきでは、めっき加工するために、製品(被めっき物)を固定し、作業しやすくめっき加工、前処理、運搬するのに用いられています。治具との呼び方の他に、ひっかけ(引掛け)、タコ、ラック、いかり、ほっす等とも呼ばれています。めっきの専門書ではひっかけの名称で書かれていることが多い様です。

めっきの治具は、特に電気めっきの場合、製品に電気を供給するための道具で、劣化などで治具の状態が悪くなると無めっきが発生したり、膜厚不足、ムラなどの不良が発生したりします。また、治具への製品の付け方によりキズ、ダコン、変形、治具跡などの不良原因にもなります。

めっきの治具は、鋳造や成型、プレスで使用する金型と同様に、品質を左右する重要な物です。しかも、使用するたびに付いためっきを強力な酸で剥離するため、劣化しある程度使用すると交換が必要となります。

弊社では、約400種類の治具が存在し、新しい形状の製品をめっきするたびにその種類は増えていきます。
お客様とのトラブルの中に、治具に起因する不具合が少なくありません。どの位置に治具で固定していいのか、どの部分が重要なのか、どの部分があまり重要でないのか、どの様な使われ方をするのか等のめっきの目的とその後の加工や使われ方をお伝え頂ければ、治具の掛け方を工夫し防げたトラブルがあります。

 

1. 板状、プレス製品

板状やプレス製品では、良く掛け位置が全くない製品にめっきして欲しいという要求があります。
掛け位置なしではめっきできませんので、何か引っ掛かりになる場所が必要となります。通常、板形状の製品では上下を挟み込んでめっきします。治具の接する部分は、無めっきなり、その周りは治具に電気が取られるため、めっきが薄くなり他の部分と比べ、色が薄い、下地が見える、光沢がないなどの状態になります(治具跡)。また、挟み込みますので、肉厚の薄い製品の場合、変形することがあります。

 

2. コップ状、御椀形状、筒形状の製品

この様な形状の製品では、エア溜りができその部分が無めっきになりやすいです。
エアの出口を作って製品を固定する必要があります。筒状の内部にめっきを付き回らせる必要がある場合は、更に陽極に製品の筒側を向ける必要があます。また、内部を付き回らせる為の補助陽極の取り付けが必要な場合も発生します。固定するための穴等が無い場合、筒の外側や内部に治具を付ける必要があり、治具跡や治具によるダコン・キズが発生します。

 

3. 複雑な凹凸のある製品

この様の製品では、凹み部分にエアが溜まったり、凸部分の膜厚が高くなったり、電流集中によるコゲが発生するケースがあります。製品の取り付け方を工夫しエア溜りを無くし、凸部分が陽極から隠れるように配置して治具に掛ける必要があります。また、凸の場合、電気ヨケを取り付ける等の工夫が必要となる場合もあります。

 

4. ボスや位置決め穴、ネジ穴、等がある製品

品物表面のすべてが有効で、キズ・ダコン・治具跡が許されない場合、穴があればそこに治具掛けするケースがあります。その穴の重要度が解らないと治具により、ネジを壊したり、相手材が入らなかったりすることがあります。
また、ボスが何の為に付いているのか、相手材との嵌合の有無をあらかじめお聞きしておかないとその部分に膜厚が付きすぎる等の嵌合が出来ない状態となるケースもあります。

 

5. 重量物

重量物の場合、それなりの太い骨の治具で品物を固定する必要があります。治具跡に深く大きな傷やダコンが発生し、治具跡も大きなものとなります。治具をする為の場所が無く、これらの発生を極力小さくするために、細い骨の治具を使用することがありますが、必ず製品の落下が発生し、酷い場合、半数以上も槽内に落下したというケースもありました。

 

トラブルを予防するために

これらのトラブルを避けるために、めっきを発注する時の注意点としては、

 ① 治具を付けてもいい製品の場所を明確にする。場合により取り付ける場所を作る。
 ② 製品のどの部分が重要なのか明確にする。また、別にこだわらない部分がある場合その部分も明確にする。
 ③ どの様な使われ方をするのか伝えておく。
 ④ 相手材がどの位置で接合し、製品のどの部分の寸法・膜厚が重要なのか伝えておく。

トラブル回避の為にも弊社営業と良く打合せをしていただき、御発注下さいますよう宜しくお願いします。

 

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