めっきの品質維持

ヒキフネはめっき専業の中で昭和52年といった早い時期に技術部を設立しました。当時は生産技術部と開発部の二本立てでスタートしたと聞いています。現在では技術部として一本に集約されていますが、社内の生産技術的役割も多く担っています。
今回は、めっきの品質を維持するために欠かせない、裏方の業務についてお話しします。

電気めっきとは

電気めっきは、陽極(金属が電気によって溶解します)と陰極(めっきしたい素材)を金属イオンが存在する溶液中で 外部電源(整流器)からの電気エネルギーを使って 金属を析出させる技術です。電気、化学、物理、金属など様々な技術的要素が集まって成り立っています。

めっき液の管理

めっき液の管理は、従来から使用されている湿式分析や高高度分析機器を用いて主成分や添加剤を分析するところから始まります。しかし、めっき液中に溶解している主成分量を正確に分析するだけでは、その時の液の状態を掴むことはできません。
めっき液が不調(病気)になってから、分析(検診)してもすぐには治りません。人と同じで常日頃の健康管理が大切です。めっき液では、pH測定(水は7.0)、比重測定(水は1、鉄は8くらい)やハルセル試験(めっき液特有の析出外観試験)などにより日常の管理を現場で行います。その状況を把握して月に1~2回 機器を用いて分析、解析を行い日常管理の是非を確認しすることが大切です。

直流電流を整流器(外部電源)から陽極と品物(陰極)にそれぞれ繋げることで電気反応によりめっきが析出します。この電流波形の乱れや電圧異常などによる不具合を様々な機器を用いて監視しています。陽極や品物(陰極)の位置関係を適切に設計することでより均一な膜厚で歪みなどの無いめっき皮膜を得ることができます。

不純物の溶出とろ過

めっき液は常に清浄に保つ必要があります。陽極が溶解する際に様々な不純物がめっき液中に溶出します。また、前処理液からの持ち込み、作業場のごみ、塵などの浮遊物の落下により汚れてしまいます。これらを常に浄化し綺麗に保つことを行うのがろ過機です。

市場に流れている水道のろ過器と似ているように思いますが、必要な成分は除去せずめっきに悪影響を及ぼす物質を取り除いてくれます。その効果により異物付着やざらなどの不具合が無くなります。

ものづくりは現場が主役です。
当社は現場の日常管理を把握し、現場で得られないめっき液の情報を分析解析など通して現場を常に支えています。技術部門や品質保証部門が裏方に徹ししっかり仕事をすることで、安心した製品を世の多くの人に提供し続けて行ける企業でありたいと考えています。

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