手動めっきのメリット

工場での生産作業と言えば、全自動の機械が配置されコンピーターによりプログラム設定し、

ボタン操作のみで終始人の手をかえさずに製品が仕上がって来る流れ作業というイメージを

思いうかべるかも知れません。

自動機による作業は基本的な生産計画通りに進むので、納期が読みやすくめっき作業に必要な

時間や温度等の管理を機械が行う為、人的ミスは少なく一定の品質が維持できます。

少人数での大量生産が可能なので、人件費を抑える事により利益率を生み出せるというメリッ

トがあります。また、あまり経験が無くてもすぐに作業出来るといったメリットもあります。

しかし、自動機には以下のデメリットもあります

①度々段取り変えを要するような少量生産には、かえってコストUPとなり向かない。

②どこか一か所で不具合が起きても機械では判別ができず発見が遅れてしまい、作業

  中断が出来ないため大量に不良を作ってしまう。

③取扱う品物に合わせその都度プログラムの再設定が必要になり、再設定待ちの無駄が

  発生してしまう。

④途中で急ぎの他製品などを自動機にセットできないので、生産順序に融通が利かない。

⑤生産量と時間を機械により制限されるので、品物によっては手動の方が早い事がある。

⑥多種が組み合わさった仕様や膜厚設定など、細かい調整が出来ない

そして、自動機で大量生産ができる製品は、コストの安い海外へと流れてしまいとても太刀打ち

出来ません。

弊社の第一工場は、前処理・後処理・純水乾燥に自動機が使用されていますが、同時に各生産

ラインには手動作業で処理が出来るレイアウトになっています。手動・自動を使い分けながら、

現在は1日に50種類もの製品を取り扱っています。

手動めっきのメリットは、上記の自動めっきのデメリットを補える事です。その他にも、、

①自動機よりも各種素材の処理を省スペースで行える。

②人が作業している為、途中でも製品の状態を確認出来る事で不具合を発見し易く、不良品

 の発生を最小限に出来る。

③生産順序の入れ替えや特急品などの対応が可能で、多品種・小ロット・単品の対応が可能。

④不要になった工程や仕様の設備を、新工程や仕様に切り替えがし易く、費用も安く出来る。

しかし、手動めっきは良い人材の確保が不可欠です。最近では少子高齢化や若者の仕事への志向

の変化もあり、人材確保が厳しく人手不足が続き状況が厳しくなっています。

手動めっきを取り入れる事で柔軟で細かく臨機応変な対応・作業が可能となり、培っていた知識

や技術は様々なニーズに対応する手段に繋がっています。弊社では自動機だけに偏らず手動めっ

きのメリットを活かし、世の中の変化や要望にお応えできる様に取り組んで行きたいと思います。

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