アルミニウムおよびアルミニウム合金は「軽量性」「強靭性」「耐食性」「電気・熱伝導性」「クリーン性」「リサイクル性」に優れるなど 多くの特性を有するため 工業的に多く用いられています。製品の付加価値UP(耐磨耗性、耐食性、装飾性など)のために「めっき」など表面処理が採用されます。
しかし、めっき処理においては
①アルミニウム表面には自然酸化膜が存在し、めっきの密着を阻害する
②卑な金属のため めっき液中では腐食しやすい
③合金成分や金属間化合物の偏析により 部分的に表面処理性が異なる
などの 問題点が多くあり 各社 様々な工程改善を行っています。
品質向上の工夫とμm 単位の寸法保証
ヒキフネ技研では 材質の特徴、加工状態、要求品質に合わせて
・脱脂、エッチング、スマット除去などの処理液を 数種類使い分ける
・無電解Ni-P めっきの加工条件を変え、析出をコントロールする
・前処理槽、水洗槽でも 必要に応じて ろ過機、温調の設置をする
など 今までに積み重ねたノウハウを活用し、品質向上のための工夫を行っています。これにより アルミ系素材では難しかった 平滑な表面が得られ、μm 単位の寸法保証もできる様になり 高精度なものにも加工できる様になっています。
材質の違いによる表面状態の差
※走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察
加工工程の違いと表面粗さ
表面が荒れていないので クリップが鮮明に映ります