ガラスファイバーと金属筐体との接着に金めっきが必要

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ガラスファイバーと金属筐体との接着に金めっきが必要

気密封止の目的は、外気を完全に遮断するためでハーメチックシールともいいます。

電子部品を空気中の湿気や埃、熱などの環境条件から保護するために、ガラス・セラ

ミック・銀ろう・金属を使って隙間を埋め封止封着と呼びます。

封止封着する材料の選定により、使用温度、やり方が異なります。一番低温で扱い易い

のが共晶半田ですが、共晶半田は鉛入りなのでRoHs規制に触れる電子製品などは鉛フ

リーにせざるを得ません。このような事情から鉛フリー半田が急速に普及しています。

鉛フリー半田は共晶半田よりも使用温度は上り、200℃~300℃前後となります。ガラス

と金属間を封止する場合は双方の材料に金めっきします。金めっきをしなくてもガラス

封止であれば封着できますが、加工温度が低融点ガラスは400℃以上となるため、ファイ

バーに対して熱ダメージを与えてしまうことで信頼性に影響するケースが見られます。

ガラスハーメチックシールには、整合封止と圧縮封止があり、どちらもガラスと金属の

熱膨張係数が重要となります。

「整合封止型」

整合封止型は、コバールと呼ばれるFe-Ni-Co合金(Fe: 54%, Ni: 28%, Co: 18%)を、

ガラスまたは半田で封止する設計になっています。コバールの熱膨張率は、幅広い温度

領域でガラスの熱膨張率とほぼ一致しますので、半田封止の場合ガラスに金めっきする

ことで最適な整合封止となります。整合封止の技術では、形状をそれほど制限されずに

さまざまな端子を作ることができます。また、高い気密性と電気的絶縁性も得られます。

「圧縮封止型」

圧縮封止型は、金属とガラスの熱膨張率を利用し、膨張率の高い金属の圧縮応力で気密

保持する設計になっています。一般的に、圧縮封止型には、ベースとなる金属に鉄、ス

テンレス、あるいは、42合金が使用され材料の選定によってめっきを必要としないケース

があります。

気密封止になぜ金めっきが必要か?

ガラスと金属を接合する場合ガラス半田でも可能ですが、加工温度が高いためガラスファ

イバーがマイクロクラックなどのダメージを受けやすくなります。特にガラスファイバー

の場合、直径が0.1mm前後のため曲げ強度が極端に弱く、急激な加熱でも折れの原因となり

ます。そのためできるだけ温度を抑え品質を安定化させるためには、金属半田が必要となり

ます。そしてガラス表面、及び接合する金属に金めっきを付けることになります。

上図の形はファイバの一部に金めっきしたものを、コバール材のフィードスルーに挿入し、

封着する部分に金―錫半田など、比較的高温の鉛フリー半田で気密をとります。金―錫半田

の使用量を最小限に抑え、気密をとるために必要な部分だけ金めっきします。

通常数ミリ±0.5mmの公差でめっきします。そうしないと高価な金錫半田を必要以上に消費

することになるからです。

このように部品加工されたものは、光を操作するデバイスケースに装着されますが、その際、

半田付けで気密封止するために、2回目の半田付けは金―錫半田よりもさらに低温のタイプ

In(インジウム)、Bi(ビスマス)を含むものを使用することが多いです。

ガラスファイバはもちろん、金属筐体へのめっきが必要なときは是非ご用命ください。

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