
分散めっき(共析めっき・複合めっき)
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めっき種別
分散めっき(共析めっき・複合めっき)
めっき皮膜単体では得られない 新たな機能を有する皮膜を作る方法の1つとして「分散めっき」という手法があります。めっき液中に微粒子を分散させ、めっき皮膜中にその微粒子を取込む(共析する)ことで全体的には金属の特性を有しつつ、微粒子の特性もあわせもつ皮膜を作ることが可能です。

PTFE分散Niめっき
皆さんが良くご存知なのは ニッケルめっき皮膜にPTFE(Poly tetra fluo ethylene)を共析させた皮膜ではないでしょうか?
テフロンコーティングは滑るから摺動時の負荷が低い、水や油を弾くから汚れが付きにくい。けれど 柔らかくて耐久性が…何とかならない?
それならば ニッケルめっきの皮膜の硬さを有しつつ、PTFE微粒子の特性(撥水、摺動など)をもつ PTFE分散めっきは いかがでしょう? といった様に機能性を併せ持つ皮膜の検討が進んでいます。
複合材と特性
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炭化ケイ素(SiC) | 窒化ホウ素(BN) | 炭化クロム(Cr3C2) | 炭化タングステン(WC) |
分散めっきというと機能性だけと思われがちですが、 ニッケルめっきに不溶性微粒子を共析させ 梨地調外観にするなど装飾目的でも使用されています。
また微粒子の種類・添加量などを変えてニッケルめっきを施した上にクロムめっきを行うことで「マイクロポーラスクロムめっき」を形成することができます。微粒子を共析させていることで局部電池を分散することができ、耐食性が向上します。
近年では ナノ粒子を用いた様々な分散めっきの研究が進んでおり カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、ナノダイヤモンド、金属微粒子などを共析し 更なる高機能化膜が検討されています。
また、めっき後に熱処理を施すことで今まで「合金めっき」としては作れなかった合金皮膜が作れるようになっています。今まで作れなかった分散皮膜や 合金比率のコントロールが可能になる…かもしれません。
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