アンチモニー合金へのめっき加工

アンチモニーって何?と思われる方も多いと思います。
元素記号Sb:アンチモンのことで、日本では 英語読みantimony [ˈæntɨmɵni]を採用・表記しているところもあります。
今回 ご紹介する「アンチモニー」は 鉛85~88%、錫2%、アンチモン10~30%からなる合金のことです。明治初期に地場産業として技術が確立し、一時は輸出貢献企業として表彰もされた東京の伝統工芸品です。重量感がある、低融点で成形しやすい、柔らかいので加工しやすい などの特徴から、トロフィー、置物、オルゴール、安価なアクセサリー、玩具などが作られています。
ヒキフネも創業時 海外向けのお土産品として作られていた アンチモニー合金へのめっき加工を行っていました。

アンチモニー合金へのめっきは
・前処理で使用する酸で鉛が溶解しやすく表面を荒らしてしまう
・僅かに入っている錫は非常に安定で活性しにくいため部分的に密着が得られ難い
など 難しい面があります。

環境規制が厳しくなっており アンチモニー合金に含まれる 鉛は含有禁止物質、アンチモンは条件付含有規制物質もしくは含有報告および削減、代替化する物質となっています。めっき工程中、素材からの溶出などで処理液が汚染されてしまうと、禁止・規制対象製品のめっき皮膜中に、鉛やアンチモンが含有してしまう恐れがあります。
ヒキフネでは アンチモニー合金へのめっき加工を止め 製品への含有を防止しています。

近年では アンチモニー合金の代替えとして 環境や健康、安全性に配慮した錫合金「エテナ」(特許・商標登録取得)を 東京アンチモニー工芸協同組合と東京都立産業技術研究センターが共同開発し、製品化されています。

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