~めっきに関わる規制物質について~

関連技術

化学・薬品

装飾品

仏具・神具

研究開発

めっき種別

装飾金

装飾金(厚付)

うす金

~めっきに関わる規制物質について~

環境問題などで制限 (禁止)物質や管理物質に上げられているものが多くなってきています。
みなさん良く耳にするのは「RoHS指令」10物質群でしょうか? RoHS指令は 今では世界的な
環境規制のグローバルスタンダードとなりつつあります。 2006年にEU(欧州連合)で施行された
電気・電子機器における化学物質を制限するための法令です。
(はじめは6物質でしたが、2015年にフタル酸エステル系4物質が追加されています)。
では なぜ制限するのでしょうか?
機器類を処分(焼却・埋立て)する際 酸性雨などの様々な要因で 溶解⇒土壌・地下水の汚染⇒
動植物へ⇒人体へと最終的には生態系に影響を及ぼすかもしれません。
だから 今から先々を見据えて 対応(制限)することで 地球環境の破壊や人類の存続の危機がない
様にしていきましょう ということです。

出典:環境省「日本の廃棄物処理の歴史と現状」

今回は RoHS禁止物質の中で、めっきで使用している(使用されていた)鉛・カドミ二ウム・水銀の
3物質について 取り上げます。(6価クロムは ヒキフネレポート「クロムの有害性」をご覧下さい)

【鉛(Pb)】
 身近なところでは 水道管も1950年代頃までは 鉛製だったそうです。
 鉛が含有していた 金属製アクセサリーなどを 乳幼児が誤飲し、鉛中毒になったというニュースを
 覚えている方もいらっしゃると思います。これを機に アメリカやカナダでは 子供用装身具の規制が
 施行されたり、日本でも日本玩具協会などが鉛含有に関しての自主基準の設置を行っています。
  興味のある方は 東京都の鉛含有金属製アクセサリー類等の安全対策に関する検討会報告書をご覧下さい。
 http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/katei/Pb/Pdhoukokusyohonbun.pdf

 表面処理に関するものでは 半田めっき、無電解ニッケルめっきの安定剤、半田付け用の半田、切削性を
 良くする為に鋼や黄銅などの金属素材などに使用されています。現在では代替技術も進み、半田(Sn-Pb)
 めっき液 や 半田 → 錫めっきおよび錫合金めっき(Sn-Ag , Sn-Cu , Sn-Biなど)無電解Niめっき液の
 安定剤(Pb)→ ビスマス、有機系化合物 などに変わってきています。

各金属の人体への影響

脳神経に影響 四肢の感覚障害(麻痺・痙攣など)、貧血、疝痛など

カドミウム

腎臓障害(カルシウム欠乏による骨軟化症)、呼吸器障害など

水銀

気管支炎、呼吸困難肺炎など呼吸器系障害

有機水銀(特にメチル水銀)の場合

視野障害、聴覚障害、言語障害、運動失調などの中枢神経系の障害

6価クロム

皮膚炎、鼻中隔穿孔、肝障害、腎障害など

【カドミウム(Cd)】
 小学校で習った「公害病」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?  富山県神通川流域に
 発生した「イタイイタイ病」の原因となった金属です。
 塩化物を含む環境にも強く、水素脆性が少ないため 航空機の足(降着装置部品)などへのめっきに使用
 されています。近年では 亜鉛-ニッケル合金めっきへの移行が進んでいます。随分 昔には 金めっき液に
 カドミウムを混ぜグリーン系の色調にしたり、ニッケルめっきの光沢剤としても使われていた様です。
 稀に 海外加工品から検出されることもあります。

【水銀(Hg)】
 4大公害病の1つ「水俣病」の原因となった金属です。
(水俣病について書かれた不朽の名著「苦海浄土」石牟礼道子著(講談社文庫)をご覧下さい。)
 身近なところでは ガラス製の体温計、血圧計、蛍光灯(水銀灯)などに使用されています。
 一般的な表面処理では 使用されていません。

~ 豆知識 ~ 
 奈良県 東大寺の大仏様。金アマルガム法と呼ばれる 水銀に金を混合・溶解して塗布、その後、加熱し
 水銀を蒸発させて金を残す、という方法で 金めっきを施したとされています。水銀に金を溶解すると
 金色ではなく水銀の銀色になります。
 「金が滅する」から「滅金(めっきん)」と呼ばれ、「鍍金(めっき)」に変化したと言われています。
 これが めっきの語源です。ちなみに「めっき」は日本語で ひらがなが正しい表記です。
 伝統的な金アマルガム法の加工ができる会社は 国内で数社あります。
 いずれも きちんとした排気・回収設備・環境を整え 建築錺金具、祭礼具、神宝装束殿内調度品などの
 加工をしています。

弊社はこれからも弊社のある東京という多くの人々が暮らす中で環境にやさしいめっき加工を目指して
開発と改善を日々行ってきています。

次号からヒキフネレポートを受信したい方

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ

TEL: 03-3696-1981

FAX: 03-3696-4511

TOP