ピンホール

関連技術

アルミ

めっき種別

無電解Ni

ピンホール

めっきは素材を金属皮膜で覆う技術です。高級な金属外観や多くの機能的特性が実現できる利点とは裏腹に根本的なめっきの弱点があります。

めっき皮膜には、その析出機構上、無数の微細な孔があります。これをピンホールと呼んでいます。

そのピンホールを通じて素材の鉄や真鍮、あるいは亜鉛合金に腐食物質が侵入し、素材の腐食を引き起こします。

腐食物質は、空気や水分などがあります。これらによって素地とめっき皮膜の間に電位差が生じ、素地からの腐食を引き起こしています。

めっきのピンホールの多くの原因は、素材欠陥に起因することが挙げられます。素材欠陥のひとつに『巣穴』というものがあります。

素材の鋳造時に発生したものやめっき前処理の不備により生成した穴を『巣穴』と呼びます。

亜鉛やアルミニウムダイカスト素材などは、鋳造時の巣穴が多くあります。

また、MIM材(メタルインジェクソンモールド)やワックスモールド材などは、成形時に非常に小さな孔があります。

さらにSUS303やSUM24L材など快削性の優れた素材は、めっきの前処理で微小な孔を生じてしまいます。

このような巣穴が点在するとめっき皮膜では、完全に覆うことができずに変色や腐食などの問題を起こします。

めっきする側としては、素材の性質を十分に理解し、適した前処理および下地めっきによりピンホールを抑える必要があります。

 次にアルミ合金の引き抜き材であるA6061への無電解ニッケルめっき加工で、異常部の解析例を記します。

無電解ニッケルめっき表面に、白シミが発生しました。

電子顕微鏡で観察したところ、めっき皮膜に小さな穴が生じ変色があります。アルミ素材の表面は鏡面仕上げです。

写真1.電子顕微鏡観察×300

直径20μm程度の円形の異常が確認されました。

2.電子顕微鏡観察×2,500

次の写真は、断面観察したものです。無電解ニッケルめっきの異常部を中心に切断しました。

写真1.アルミ素材の欠陥1

写真2.アルミ素材の欠陥2

無電解ニッケル皮膜とアルミ素材の界面で、素材側の欠陥(巣)が確認されます。1μmにも満たない非常に小さなものです。

これらの解析結果から、素材の選択、切削加工の見直しならびに適しためっき前処理の検討によりその後、不具合が解消された一例です。

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