アルミ合金へのめっき①

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めっき種別

アルミ素材へのめっき

アルミ合金は両性金属(酸、アルカリで溶解)で酸化しやすく、種類も多くめっきが難しいとされています。
特にアルミニウム表面の酸化皮膜の除去と亜鉛(Zn)を置き換えるための置換処理が、重要なポイントです。

今回はアルミニウム材のめっきについてご説明いたします。
アルミニウムの前処理を簡単にご説明いたしますと、

脱脂
 ↓
エッチング(酸化膜を除去します)
 ↓
脱スマット(めっきを阻害する表面の不純物を除去)
 ↓
ジンケート(亜鉛を置換させ酸化膜の発生を抑える)
 ↓
電気めっき、無電解めっき

になります。

一般的に、アルミ表面の強固な酸化皮膜を除去するためにアルカリエッチングを行いますが、この処理によって、アルミ表面がエッチングされ寸法が変化してしまいます。
当社ではアルカリによる酸化皮膜除去(エッチング)は行わず、当社独自の特殊な処理液で行います。
素材が鏡面加工された面には粗さを維持し鏡面とする事ができ、表面を粗すことなく寸法変化も伴わず、密着性に優れた無電解ニッケルめっきを施すことができます。

一般的に密着が得られないとされている#A2000、#3000の素材でも強固な密着性を得ることができ、さらにADC10ならびにADC12のアルミダイカスト材においても同様に前処理の適正化により、密着性の良好なめっきを施すことができます。

寸法精度を要求される部品については、『鏡面処理』をご検討下さい。

鏡面処理

鏡面処理は前処理による寸法変化などがなく高精度を要求される部品に適しています。

合金系統 合金種類 主な番号 特徴 用途例
1000系 純アルミニウム系 A1050(99.5%Al)・
Al1100(99%Al)
耐食性・加工性・表面光沢・電気伝導性・熱伝導性に優れる。非常に強度が低い。 装飾品・ネームプレート・フィン・キャップ
2000系 Al-Cu系 A2017(ジュラルミン)・
A2024(超ジュラルミン)
非常に強度が高い・切削加工しやすい・耐食性に劣る・溶接性が劣る。 航空機部材・光学部品・ネジ類・ピストン
3000系 Al-Mn系 A3003・A3005・A3105 純アルミニウムの耐食性はそのままで、強度を向上。加工性はやや劣る。 屋根板・電球金具・台所用品
4000系 Al-Si系 A4032・A4043 熱膨張を抑制し、耐摩擦性に優れるのが特徴。 ピストン・建材外装・シリンダー
5000系 Al-Mg系 A5052・A5056・A5083・A5454 強度・耐食性に優れる。また溶接も良好。 一般板金・光学部品・カメラ鏡胴・通信機器・銘板・ファスナー
6000系 Al-Si-Mg系 A6061・A6063・A6N01 強度・耐食性ともに優れる。 船舶・車両・機械材料・カメラ部品・鏡胴・サッシ
7000系 Al-Mg-Mg系 A7075(超超ジェラルミン) アルミ合金中、最強の硬度を持つ。
(超超ジュラルミンはCuを含んでいる)
航空機・車両・構造物

 

 

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