めっき膜厚測定と断面観察

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めっき不良・課題を解決する分析機器

ヒキフネはさまざまな分析機器を駆使して、めっき仕様の保証、トラブルに関する解析等を行ない、お客様のめっき課題解決を全面的にバックアップしています。
当レポートでは、参考例としてヒキフネの生産現場における分析機器を用いた品質保証についてご説明します。

① 電解剥離式

20年前までは、めっきの膜厚を計測するために電解剥離式(コクール式)というものが用いられていました。しかし、この電解剥離法は、めっき皮膜面を約3mmφの大きさで順次溶解して、膜厚を計測するといったもので、製品表面の一部分を溶解してしまうため、商品にならなくなっていました。このような試験方法を破壊式と呼んでいます。この方法では、機構上平面でしか測定できないと言った欠点もありました。

② 蛍光X線微小膜厚計

上記の破壊式に対し、非破壊式で広く用いられている方法が、蛍光 X 線微小膜厚計です。
この装置を用いる事で、製品そのものを傷つけたり、溶解したりすることが無くめっき膜厚を測定することができます。計測には予め膜厚が分かっている標準片ならびに素材が必要になります。さらに、銅-錫合金めっきなども換算することで膜厚を計測することができます。非常に使い勝手の優れた装置ですが、導入費用は、一台当たり 1,000 万円弱の高価な装置です。
現在、当社では無電解 Ni-p めっきの膜厚をロット毎に計測し析出速度を予測し、指定膜厚範囲に入るよう制御しています。膜厚精度が高い製品の場合には、めっき担当者とは別に膜厚測定を行なう補助作業員を伴い二人三脚でめっき作業中に膜厚制御を行なっています。

また、電気、電子部品などの金、銀めっきなど皮膜膜厚を重要視する製品の膜厚管理も日常的に行なっています。これらの場合は、実生産前に何度も膜厚測定を行ない、ロット内のバラツキを把握し、実生産に移行するなど品質保証を行なう上で重要なツールであることは言うまでもありません。蛍光X線膜厚計を用いると 0.2φの微小線上のめっき膜厚を測定することができます。しかし、形状によっては、蛍光 X 線では計測できない箇所もあり、状況に合わせて測定方法を選択する必要があります。

③ 断面観察による実測測定

この方法は、完全に破壊することで断面を切断して、金属顕微鏡やマイクロスコープにて拡大して実測します。ただ、1ミクロン以下の場合、1,000倍としても画面上では 1mmにしか拡大されません。
この断面観察法による試料作成は、非常に熟練を要し時間のかかる作業となります。製品を適当な大きさに切断し、樹脂に埋め込み標準の形状になるようにします。この樹脂に埋没させることにより、任意の断面を切断することが可能になります。ここまでの作業で通常1日かかります。切断にはファインカッターを用いて切断しますが、断面を綺麗に観察するためには、目的とする研磨面を確認しながら、例えば#400⇒#600⇒800⇒#1,000⇒#1,200 と研磨紙を換えて磨いていきます。
特にそれぞれのめっき膜厚が薄い場合には、慎重に研磨して行きます。熟練の技術者が終日、研磨機の前でこの作業を繰り返します。とても根気のいる作業です。さらに鏡面を必要とした場合には、有機系や無機系(超微小ダイヤモンドなど)の研磨剤を用いて研磨します。その上でめっき断面をエッチングすることで、各めっき層をはっきりと浮かび上がらせることができます。
この最終工程でめっきの仕様金属に合ったエッチング液で、結晶粒度が見えるレベルまで表面を調整します。エッチングによって断面を見え易くしますが、とても高度なテクニックを要します。

以上述べた様に断面観察に要する日数は、写真が撮れる状態までにすると3~4日は、十分にかかることを御理解願います。
この断面観察は、めっき皮膜や素材の不具合などにも広く用いられています。現在、当社では右写真のようなマイクロスコープを用い画面上で約2,500 倍までの拡大観察が出来ます。 他にも膜厚を計測する方法が幾つかありますが、当社ではこの蛍光 X 線膜厚装置ならびに断面写真により精度の高い管理を行い、要求されるめっき膜厚を高精度で制御しています。

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